2008年8月6日水曜日

貴方の情報、流出されてしまってませんか?

この記事を書いている時点でGoogleはこの件について自らのプレスリリースを掲載していませんので、とりあえずImpressの記事を二つリンクしておきます。

『Googleマップの「ストリートビュー」機能、日本でも開始』
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/08/05/20479.html

『「ストリートビュー」のプライバシー問題、グーグルが方針説明

不適切な画像はユーザーからの報告で対処』
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/08/05/20489.html

一応関連リンクも。
『Googleプレスセンター』(この件について、貴方がここを閲覧しているときには既に問題の解決や何らかの姿勢の公表などが行われているかもしれませんが、この記事を書いている最中にはサービス開始の表明も含めてまだ掲載はありません。)
http://www.google.co.jp/intl/ja/press/

『Googleマップ ストリートビュー』
http://www.google.co.jp/help/maps/streetview/


ご存知Google Mapsのストリートビューですが、後者の記事によると画像はGoogleのスタッフによって撮影・編集されたものだということです。
ですが、記事中で『また、不適切な画像については、ストリートビューのヘルプ画面に「不適切な画像を報告する」というリンクが用意されているため、ここからユーザーからの連絡を受けて対処を行うことで対応していきたいと述べた。
』とあります。

このことから、私が理解したのは、「Googleは自ら撮影・編集したものであっても、自ら責任を持って問題がないかどうかを確認することなく、Internet-Wideに公開する」ということです。

彼らはある種の自動化技術によってある程度プライバシー保護をする工夫をしているようですが、それが完璧でないことも認める説明もあります。『ただし、こうした処理が完全ではない場合もあるため、問題のある画像については報告してほしいと説明。』

これは「自らが撮影した写真を公開する」ということを業務の一環として行う企業体としては、責任を放棄しているように思えます。

実際に、自動車のナンバーや窓から室内の様子が見て取れる事例もあるそうです。私もある店の看板の電話番号がぼやけているものの、かなりの高確率で類推できると思われる事例も見ました(看板にあるのなら公開しても、、と思うかもしれませんが、たとえば毎日日本のあちこちから用もないのに電話をかけられたら業務に支障を来たすでしょう)。

私はGoogleの開発・実現する技術にはすばらしいものがあると思いますが、今回の件は企業体の倫理観に疑問を持たざるを得ないのではないかと思います。

YouTubeではないのだから、自分で撮った写真の内容ぐらい、自分で責任を持って欲しい。
一度流出した情報の回収が困難であることは言うまでもないのだから。
もし、人手などによる十分な事前検査がサービス提供で得られる収入に見合ったコストでできないというのであれば、同等の精度で検査を低コストで行えると「胸を張って言える技術」を開発して用いるのが、技術屋でしょう。それもせずにサービス開始してしまうのは収入の為に問題に目をつぶっているとしか思えません。

せめて、多くのspammerがやっているopt-outのような申告方式をとるのをやめて、opt-inであれば、まだ救いがあるのですが。

この手の問題には私は疎い方ですが、それでも問題を感じたことなので、(どれほどの人が見ているかはわかりませんが)、ここに書いた次第です。